(14) 再利用〔1〕昔ならこそのエコ

裏返しにして再利用したミカン箱

 考古資料のほとんどはかけら、一見瓦礫として片付けられるようなもので、まさに瓦や礫そのものの場合も多い。それでも内容は、生きた歴史の証拠物件である。ともかく考古資料の収蔵には広い施設が必要なのである。

 倉敷考古館の場合は、小さい倉庫一つあるだけで、資料もそれを扱う人間も身動きならないというのが、開館以来60年が近い現在の実情である。その倉庫の屋根葺替えのためには、中の資料移動から始めなければならなかった
 資料自体の入れ物も、時代を追って各種様々だが、経費も場所も無い中、ダンボール箱詰めのものも多い。移動で底抜けの心配のあるものは、入れ替え作業も大変だった。その中での発見というより現代が忘却してしまっている、再利用の再発見。

 今回の妙な写真がその正体である。よく見ていただくと分かるがミカン箱で、しかも裏返しである。中の資料を包んだ新聞紙から、昭和42(1967)年頃のものと見てよい。ちょうど40年前のことである。この頃はダンボール箱も再利用は普通のことで、わざわざ裏返して使用されていたのだ。

 しかもこの箱は、表面になった側には、送り状がついたままになっていた。大原美術館へ東京の出版社から、絵はがきか絵の複製が送られた箱であった。考古館で資料入れの箱が必用になった時、よく無理を言ってもらっていたものである。まさに再再利用である。

 幾昔も昔のこと、私どももこうした具体的な再利用の事実自体は忘れかけていたが、この40年来これに近い再利用はずっと行っていた。あの経済成長がもっとも目覚しいとされた時代にあっても、考古館などではこうしたことは普通のことだった。

 現在では地球温暖化の危機が叫ばれ、当たり前に廃棄されていた物の「再利用」は、いまや最先端の問題となっているが、考古館のようなもっとも古臭いと思われているところが、最先端をいっているとは、つらい皮肉である。



 2007(平成19)年11月9日 金 晴時々曇 
    倉庫の屋根葺替え工事中、電源を使用している考古館の鉄筋コンクリート造り部分の電源スイッチが落ちる。展示室も停電。幸いというか残念というか、11月というのに入館者が皆無だったので、改めて不要の電灯を消して、電源を入れやっと工事再開。1957年増築した部分だが、電力の容量はその程度のものだった。工事の人も、館員もヒヤヒヤもの。現在の電力エコ問題、いかに電力削減をするかだが、当館の問題などは、それよりはるか以前の問題。
 同年11月15日 木 晴
 朝倉庫の工事の人、また電気がきてないので、スイッチを入れてほしいといってくる。展示室では停電してないので、今度は何事が起こったかといってみると、工事現場でのコンセントの入れ忘れだった。


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