(161) 観光地のペット?

倉敷河畔のサギとその写真を撮る人

 左の写真は、倉敷考古館すぐ近くでの、ある朝の情景。9月末頃だったと思うが、「ああ久しぶりに来ているな」と思い、ちょっとシャッターをきった。分かり難い写真だが、川べりにサギがいたのである。倉敷川河畔ではお馴染みのもの。それをカメラで狙っている人もいたので、ご一緒に失礼ということで。

 サギにカメラを向けていた人は、サギともどもじっと動かなかったので、サギが魚を捕る瞬間をねらっていたのかもしれない。10分ばかり後には、ご両所とも姿が無かったので、共に目的を達したのか、共にあきらめたのか・・・・・

 いずれにしてもこの界隈のサギは、観光客の多いときでも、平然と思いのままに行動しているようなことは、かなり以前だが、この「よもやまばなし66話」でも話題にしたことだった。ちょっとそれを、クリックしていただければ幸い・・・

 これも幾度か話題としたが、倉敷川には白鳥が放たれ錦鯉も泳ぐ。観光に倉敷を訪れた方々には、鯉や白鳥にも一応の注目はあるようだが、昨今の観光地で水辺のあるようなところでは、両方との飼育されるところが多く、普通の風景として捉えられているようだ。このようなところに、自然界のサギなどが自由に行動しているのが、むしろ注目を引いている。

 観光地では野良犬や野良猫が、観光客のペットになっていることも、しばしば見聞きする事。だが其の地の自然界に住まうものを、ペットなどと呼ぶのはどうかとも思うが・・・・ともかく観光客に注目され、愛着を感じさす生き物は、観光地ペットなのかもしれない・・・時には、地元にとってそのペットは、利害の反する迷惑なものもいるようだが。ハトなどもその一つ・・・

 次の場合はどうだろう?

ウシュマル遺跡のイグアナ

 先回話題にした、メキシコの遺跡地でのこと、ユカタン半島にあるマヤ文化の遺跡ウシュマルで、ガイドさんに遅れないよう、かなり急ぎ足だった時 「あつ・・イグアナ!!」 大声をあげたのは、実は私だったのだ。この地の遺跡内には、イグアナガいることは、何かで見た覚えがあったが、実際にお目にかかれるなど、思ってもいなかったのだ。


尼僧院入り口の大きなイグアナ

 「ええつ!・・」同行者の足がこちらに向いた時、先を行っていたガイドさん、足を止めることも無く「イグアナなどは、いくらでもいますよ」・・・

 たしかに本当だった。目の前の尼僧院と名付けられている広大な石造建造物の中庭へ入ったとたん、足元に50cmを越すような大きなイグアナが、鎮座していた。みんなで近づいてもピクとも動かない。少々厳つい其の姿に、前に進み難かったが、ガイドさんいわく「イグアナはとてもおとなしく、何も危害は与えません。咬みついたりはしませんよ。なかなか動かないが、逃げるのは結構早いですよ。ちょっと動かしましょう。」

尼僧院中庭と壁の模様

 ガイドさんは、イグアナに触れんばかりのところで、強く足踏みを幾度かしたが、びくとも動かない。

 私たちが、其の石造建築の見学を終えて帰るときも、まだそこにいた。イグアナは体温が下がると、活動が鈍るらしい。亀が甲羅干しするように、じっと太陽にあたっているそうだ。そこの大きなイグアナは、よほど寒がりだったのか。

 カリブ海を眼下に見る断崖の上にあるトウルム遺跡は、三方を城壁で囲む、城塞遺跡で、15世紀のマヤ文明最後の姿であり、スペイン人が最初に見たマヤの都市だったともいわれている。海と城塞が一体の眺めは美しい(下の写真・右)。

 この城塞内に残る建造物で、一部が棕櫚(しゅろ)の葉で屋根が復元されている部分があった。その屋根棟に何か乗っている?・・・(下の写真・中 参照)カメラの望遠で引いてみると、なんと大きなイグアナではないか(下の写真・左 )。良く見ると、周辺の崩れたような石造構造物の周辺にも、点々とイグアナの頭が見える。

 訪れた時は9月。メキシコでは雨季であった。しかし雨は、時にスコールのように降るだけなのである。滞在中、傘を長時間さすことはなく、遺跡見学中はほとんど傘は不用だった。温度は真夏並だったが、日照は少なかった。ここのイグアナも、甲羅干しをしていたのだろうか。

 この辺りを訪れていた観光客は、海外からの観光客も多かったが、イグアナを気にしている人はどれだけいただろうか。日本に帰って、遺跡にイグアナがいたといったら、「飼っているのですか?」といわれた。他の人に写真を見せたら「本物ですか?」ともいわれた。

 日本では、最近何やかやが、ペットブームのようで、イグアナも結構人気商品らしい。草食で、おとなしいからということのよう。メキシコの遺跡地のイグアナは、まだペットに成っているとは思われなかったが、観光開発が進んできて、増えているのか減っているのか、気になることではあった。

屋根上にいたのは、大きなイグアナ

トウルム遺跡内部の建物。復元された棕櫚の葉葺屋根上に、何かいる

カリブ海を見下ろす断崖上のトウルムの城塞



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