(18) 「成人の日」考古館日記抄

午前8:30 考古館をバックに

考古館前の中橋上

左端の建物が考古館

左端の橋は美術館前の今橋

考古館前を歩く人達

 まだ午前の8時半には間のある時間だが、すでに写真撮影は始まっていた。
倉敷市の成人式開催日、2008年1月13日の朝、倉敷考古館周辺の河畔である。

 例年この地域で、誰も計画したわけではないのだが、いつも行われている年中行事といえば、成人式を迎えた倉敷市在住の人やその家族が、このあたりをバックにした、成人の晴姿写真撮影である。今回の写真は、ただいま13日のこうした実態撮影。

 ここ何年来か、倉敷市の成人式が行われるのは、昨今当地では、その存続が大問題となっているチボリ公園である。考古館周辺の倉敷川河畔からは、北に1.5kmばかりは離れているが、式典の前後には、こうした晴れ姿が河畔の冬景色を飾る。

 倉敷の新成人が、この一帯を自分の記念すべき日に、写真の背景にしたいとわざわざ訪れることは、大変うれしい事ではある。これからの倉敷を託する人達であろう。

 成人の日が、1月15日として制定されたのは、1948年の事。考古館開館の1950年より前であるから、館開館以来この祝日は存在していたはずだが、考古館日記をすべて繰って見ると、休館してないのは勿論だが、最初頃は特に成人の日の特別な記載は何もない。館の休館日である月曜日と重なった場合は、休館日が先行している。

 開館いらい11年目である、1961年に、職員が5名だけの当館でも、1人の女性職員が成人式出席のため休んでいる。その後も1968年に、こうしたことが一度あったに過ぎないのは、館の職員すべてが大学卒業者になったからであろう。この68年は月曜休館日と重なるが、この時から祝日開館が普通となり、入館者も大幅に増えてくる。

 以来、成人の日は考古館日記には、「・・・成人の日で前のあたりは大賑わい・・」「外は振袖姿で華やか」というような記述が、例年の事となる。

 1977年の成人の日には「T君成人式途中で抜け出てきた由、たまたま展示用の遺跡分布地図の貼り込みをしていたのを手伝ってくれる。外は振袖姿の人達、そぞろ歩きで花が咲く・・」と日記にある。T君と呼んだ人物、今も交流があるが、すでに50歳ということ。

 2000年にハッピーマンデー法とかで、成人の日が1月第2月曜日となって以来は、毎年休日開館となったが、着物姿も、入館者もむしろかなり減少している。そうして今日となっている。

 その間、成人式への意識、成人の態度、時代の移り変わりを、考古館の日記を繰るまでもなく、さまざまに思うことも多いが、半世紀以上にわたり、成人の標が、国家への徴兵検査でないことだけは、変わらず続いてきた。これこそ次代を担う成人達への、最大の贈り物の筈だ。成人たちがこの贈り物を、永遠に引き継いでくれる事を、彼らの為に祈りたい


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