前々回の書き出しと同じようなことになるが、今年の夏の暑さとその長さは異常だった。当地方では彼岸に入るまで、35度に達する猛暑が続いたことは、誰の記憶にも新しいだろう。
前々回の書き出しと同じようなことになるが、今年の夏の暑さとその長さは異常だった。当地方では彼岸に入るまで、35度に達する猛暑が続いたことは、誰の記憶にも新しいだろう。
ところで左の写真、何に思われるか?・・・・現代アート写真とでも思っていただけるなら、倉敷としては「本望」と言うべきかも知れないが、実はこの9月に入っても酷暑の続いた考古館横の道路を、2階の小窓からのぞいたときの、偶然の写真である。人の歩く道は、バックの倉の白壁より白い。
続く写真の2枚は地上から考古館を取り巻く周辺を写したもので、先の写真に写されていた部分も入る。この風景に、倉敷を訪れた多くの人は何を感じただろうか。倉の並ぶこの一帯の道は、コンクリートの、まさに真っ白い道が細い路地までも埋め尽くしている。
この真っ白さ、まさかこの夏の日照りが原因?・・・幾らなんでもそれはない。この姿は主には八月後半からの状況だが、その前はこの一帯は電線の地下埋設工事中で、あちこち日替わりの交通止めだった。その後修復されたコンクリートの道が、なんと純白の道。
連日猛暑で、しかもカラカラ天気の下、この白い道路の照り返しは、通行する人の目を射るだけでなく、暑さを強調するものだった。倉敷の建物群を見に来てくださった人々が、どのように感じられただろう。古い倉に、たいへんミスマッチな道とおもわれても仕方ない。
舗装工事関係者に聞くと、予定の工事がみな出来上がってから、別の業者が道路の表面の洗い出しをするとのこと。現在の工事は、考古館横にずっと出されている立て看板によると、今年の3月8日から11月30日となっている。次の工事はその後ということか。
この白々しい道、秋の観光シーズンにも続いていることになる。施工側の市は、工事は一時的なものと平気なのかもしれないが、多くの観光客は、一度だけ訪れる人がほとんどのはず、この僅かという1~2ヶ月間に訪れた心ある人は、倉敷の「美観」とはこんなものかと思われたのでは。館を訪れた、地元の人からも、驚きと不平の声が多い。せっかく電線の地下埋設をしても、逆効果というもの。路面の仮仕上げでも、特に費用をかけず、むしろ薄黒く仕上げる工夫もあるだろう。
この道、しばらくの間とはいえ、倉敷としてちょっとどころか、かなり恥ずかしい・・・
周辺の悪口ばかりいっているようだが、考古館の中にも、心に染まぬ妙なものが立っている。これは考古館も所属している、岡山県博物館協議会が、今年岡山県で開催されている、国民文化祭に参加する形と、来年で会設立20周年を迎えることで、県内博物館のスタンプラリーを、9月から来年の5月31日まで催している。
これの宣伝を兼ねて協会から送られてきた幟旗が、左の写真である。なんともこれが博物館の関係した制作か、まるで、マンションかスーパーの大売出しかというような幟である。これも協会が各館に、意見を求めた結果のデザインだが・・・・結局は、経費の問題でこのようなものになったようである。
倉敷のこの一帯では、幟旗を出すことにも、自己規制を強く意識している地域である。いくらなんでもこれでは館外には出せない。外からも見える入り口内部に、そっと置いているということである。だいたい幟より気の利いた旗スタイルのほうが、自由がきいたと思うし、経費もかからないだろう。デザインさえよけてば、各館の工夫でいろいろの表示ができる。
倉敷観光地だけのことではない、博物館協会には美術館関係館も多い、もう少し同じ経費でも、さすがといえるデザインはなかったのか、自分達のことではあるが、博物館関係の作品としては、この幟はちょっと恥ずかしい・・・・